勾配計算(%・角度・寸勾配・1:N)
わかっている値を2つ入れるだけ。残りの値と図が一度に出ます。屋根・排水・スロープ・道路の勾配に。
オレンジ色の欄が「入れた値」、ほかは計算した値です。最後に入れた2つから計算します。
勾配計算は、水平距離・高さ・斜辺の長さと、角度・勾配%・‰(パーミル)・1:N・寸勾配のうち、わかっている値を2つ入れるだけで、残りの値をすべて同時に計算するツールです。入力に合わせて三角形の図が動き、屋根・排水・スロープ・道路・駐車場の勾配が目安や基準に収まっているかもその場で表示します。
「4寸勾配って何度?」「1/50の排水勾配で10m先は何mm下がる?」「スロープ1/12にするには長さが何m要る?」といった、現場でよくある計算がこれ1つで済みます。
勾配計算ツールの使い方
- 勾配の表し方を1つ+長さを1つ入れる:たとえば「寸勾配 4」と「水平距離 1000」を入れると、高さ400、斜辺約1077、角度約21.8°、勾配40%、1:2.5がすぐに出ます。
- 長さを2つ入れる:「水平距離 3600」と「高さ 900」なら、勾配25%・角度約14.04°・2.5寸・1:4 がわかります。斜辺と水平距離、斜辺と高さの組み合わせでもかまいません。
- 「よく使う勾配」のボタン(屋根4寸・スロープ1/12・排水1/50など)を押すと、その勾配がすぐに入ります。
- 右側の表示で、車いすスロープ・排水管・床の水勾配・道路・駐車場の目安に合っているかを○△×で確かめられます。
- 屋根の場合は、下の欄に投影面積(真上から見た面積)を入れると、伸び率をかけた実際の屋根の面積が出ます。屋根材や塗料の数量出しに使えます。
長さの単位は図のラベルに使うだけで、計算はどの単位でも同じです(入れた単位のまま答えが出ます)。
勾配の表し方と計算式
勾配は「水平にどれだけ進んで、どれだけ上がる(下がる)か」の割合です。同じ傾きでも、業界によって表し方が違います。
| 表し方 | 意味 | 計算式(高さ÷水平距離=r) | 主に使う場面 |
|---|---|---|---|
| 角度(°) | 水平面となす角 | θ=arctan(r) | 機械・測量・数学 |
| パーセント(%) | 水平100に対する高さ | r×100 | 道路・スロープ・土木 |
| パーミル(‰) | 水平1000に対する高さ | r×1000 | 鉄道・下水道 |
| 1:N(N分の1) | 高さ1に対する水平N | N=1÷r | 排水・スロープ・法面 |
| 寸勾配 | 水平10寸(1尺)に対する高さの寸 | r×10 | 屋根・和風建築 |
斜辺の長さはピタゴラスの定理で「√(水平距離²+高さ²)」、伸び率は「斜辺÷水平距離=√(1+r²)」です。
屋根の寸勾配(すんこうばい)早見表
日本の屋根は「水平に1尺(10寸)進んで何寸上がるか」の寸勾配で表すのが一般的です。たとえば4寸勾配は、水平10に対して高さ4の傾きです。10寸勾配はちょうど45°で「矩勾配(かねこうばい)」と呼ばれます。伸び率は屋根の実面積や垂木の長さの計算に使います。
| 寸勾配 | 角度 | 勾配% | 1:N | 伸び率 |
|---|
屋根材によって必要な勾配の目安が違います。一般に、スレート(化粧スレート)は3寸以上、瓦は4寸以上、金属の立平葺き(縦葺き)は0.5〜1寸程度から葺けるものがあります。必ず各メーカーの施工要領に書かれた最小勾配を守ってください。
屋根の実面積の出し方
屋根の実面積=投影面積(真上から見た面積)×伸び率 です。投影面積80㎡・4寸勾配(伸び率1.0770)なら、実面積は約86.16㎡になります。ツールの右下に投影面積を入れると自動で計算します。
排水勾配・床の水勾配の目安
建物の排水横管(汚水・雑排水)は、管が太いほどゆるい勾配でも流れます。空気調和・衛生工学会の規格(SHASE-S 206 給排水衛生設備規準)では、おおむね次の勾配が目安とされています。
| 管径 | 最小勾配の目安 | 10mあたりの下がり |
|---|---|---|
| 65mm以下 | 1/50(2%) | 200mm |
| 75mm・100mm | 1/100(1%) | 100mm |
| 125mm | 1/150(約0.67%) | 約67mm |
| 150mm以上 | 1/200(0.5%) | 50mm |
勾配がゆるすぎると汚れが残って詰まりの原因になり、急すぎると水だけが先に流れて固形物が残ることがあります。浴室やベランダ、土間の床の水勾配は、0.5〜2%程度(1/200〜1/50)で設計することが多いです。
スロープ・道路・駐車場の勾配の基準
車いす用のスロープ
バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)の建築物移動等円滑化基準では、屋内の傾斜路は1/12以下(高さ16cm以下なら1/8以下)とされ、誘導基準では屋外は1/15以下が求められます。たとえば高さ60cmの段差を1/12のスロープで上がるには、水平距離が7.2m必要です。ツールで「1:N」に12、「高さ」に600を入れると、すぐに7200(mm)と出ます。
道路の縦断勾配
道路構造令では、設計速度に応じて縦断勾配の上限が決められていて、普通の道路でおおむね2〜9%、地形などでやむを得ない場合は最大12%程度までです。
駐車場のスロープ
駐車場法施行令では、自動車の通る傾斜部の縦断勾配は17%以下と定められています。
ここでの基準は目安です。実際の設計では、最新の法令・条例・各自治体の指針・メーカーの施工要領をご確認ください。
法面(のりめん)勾配の「割」と1:N
土木の盛土・切土の斜面(法面)は、「高さ1に対して水平にどれだけ」の1:Nで表し、「1割勾配(1:1.0)」「1割5分勾配(1:1.5)」「2割勾配(1:2.0)」のように「割」で呼びます。1割勾配はちょうど45°、1割5分は約33.69°、2割は約26.57°です。ツールの「1:N の N」に1.5や2を入れると、角度や%、長さとの関係が一度にわかります。
| 呼び方 | 1:N | 角度 | 勾配% | 高さ1mのときの水平距離 |
|---|---|---|---|---|
| 5分勾配 | 1:0.5 | 約63.43° | 200% | 0.5m |
| 1割勾配 | 1:1.0 | 45.00° | 100% | 1.0m |
| 1割5分勾配 | 1:1.5 | 約33.69° | 約66.7% | 1.5m |
| 1割8分勾配 | 1:1.8 | 約29.05° | 約55.6% | 1.8m |
| 2割勾配 | 1:2.0 | 約26.57° | 50% | 2.0m |
| 3割勾配 | 1:3.0 | 約18.43° | 約33.3% | 3.0m |
屋根の寸勾配(水平10に対する高さ)と、法面の割(高さ1に対する水平)は、基準にする辺が逆です。「4寸勾配」と「4割勾配」はまったく違う傾きなので気をつけましょう。
角度と勾配%の早見表
角度と%は比例しません。角度が小さいうちはほぼ比例しますが、45°で100%、60°で約173%と、角度が大きくなるほど%は急に大きくなります。
| 角度 | 1° | 2° | 3° | 5° | 10° | 15° | 20° | 30° | 45° | 60° |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 勾配% | 1.75% | 3.49% | 5.24% | 8.75% | 17.63% | 26.79% | 36.40% | 57.74% | 100% | 173.21% |
現場で勾配を測るときのコツ
- 水平器(レベル)と差し金:水平器を当てて水平を出し、決まった水平距離(たとえば1m)のところで高さの差を測れば、高さ÷水平距離で勾配がわかります。
- レーザーレベル・オートレベル:離れた2点の高さの差と、2点間の水平距離を測ってツールに入れます。斜面に沿った長さしか測れないときは、「斜辺」と「高さ」を入れれば水平距離も出ます。
- スマホの傾斜計アプリ:角度で表示されるものが多いので、「角度(度)」の欄に入れれば%や寸勾配に直せます。
- 「水勾配」(水を流すための勾配)、「片勾配」(片側だけを下げる勾配)、「逆勾配」(水が流れてほしい方向と逆に傾いている状態)などの言葉も、現場ではよく使われます。
勾配でよくある計算例
ほかの電卓
よくある質問
4寸勾配は何度ですか?
勾配%と角度の換算方法は?
排水勾配1/50とはどういう意味ですか?
車いすスロープの勾配は?
屋根の伸び率とは何ですか?
‰(パーミル)とは?
長さを2つ入れたら勾配は出ますか?
最終更新:2026-10-20