利益率計算・粗利計算

原価・売価・利益のどれか2つを入れると、残りと各種の率がすぐ出ます。

1原価・売価・利益から利益率を計算

3つのうち2つを入れると、残り1つ(オレンジの欄)と各種の率が自動で出ます。

2目標の利益率から売価を逆算

3売価と利益率から原価の上限を出す

4複数の商品の粗利をまとめて計算

商品名原価売価数量粗利粗利率

5営業利益率・売上総利益率

6原価から売価の早見表

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利益率(粗利率)とは

利益率とは、売上(売価)のうち、どれだけが利益として残るかを百分率で表したものです。商品の値決め、仕入れ先との交渉、店舗やネットショップの売上管理、決算書の分析まで、商売のあらゆる場面で使われます。もっともよく使うのは「粗利率(売上総利益率)」で、ふつう「利益率」と言えばこれを指すことがほとんどです。

利益率(%)= 利益 ÷ 売価 × 100
例:原価 600円の商品を 1,000円で売る → 利益 400円 → 400 ÷ 1,000 × 100 = 40%

このページの上の計算機では、原価・売価・利益のうちどれか2つを入れるだけで、残りの1つと、利益率・原価率・値入率・マークアップ率・掛け率をまとめて出します。入れるたびにすぐ計算し直すので、「売価をいくらにすれば利益率30%になるか」を探しながら試すこともできます。

利益率の計算式と、似た言葉の違い

利益率のまわりには、よく似た言葉がたくさんあります。どれも「何を何で割るか」が違うだけですが、取り違えると値付けを大きく間違えます。いちど表で整理しておきましょう。

名前計算式原価600円・売価1,000円の例よく使う場面
利益率(粗利率・売上総利益率)(売価 − 原価)÷ 売価 × 10040%値付け・売上管理・決算書
原価率原価 ÷ 売価 × 10060%飲食店のメニュー設計・製造業
値入率(予定売価 − 仕入れ原価)÷ 予定売価 × 10040%小売の仕入れ・値付けの計画
マークアップ率(値上げ率)(売価 − 原価)÷ 原価 × 100約66.67%「原価に何割乗せるか」で値決めする時
掛け率原価(卸値)÷ 定価 × 106掛け卸売・アパレル・書籍の取引
営業利益率営業利益 ÷ 売上高 × 100—会社全体のもうけの力をみる

利益率と原価率は足すと100%

利益率と原価率は、どちらも売価を100%として見ているので、必ず足して100%になります。原価率が60%なら利益率は40%、原価率が35%なら利益率は65%です。どちらか片方がわかれば、もう片方は100から引くだけで出せます。

値入率と粗利率の違い

値入率は「売る前の計画」の数字、粗利率は「実際に売れた結果」の数字です。仕入れた時点で付けた値段のまま全部売れれば2つは同じになりますが、実際には値下げ・ロス(売れ残り・破損・万引き)・まとめ売りの割引などで、粗利率は値入率より低くなるのがふつうです。たとえば値入率40%で仕入れても、季節の終わりに値下げして売り切ると、最終的な粗利率は35%前後に下がることがあります。

マークアップ率と利益率を取り違えない

いちばん多い失敗が「原価に30%乗せたから利益率30%」という思い込みです。原価700円に30%を乗せると売価910円ですが、このときの利益210円は売価910円の約23.1%にしかなりません。利益率30%にしたいなら、売価は 700 ÷ (1 − 0.3) = 1,000円です。上の「2. 目標の利益率から売価を逆算」では、利益率とマークアップ率のどちらで決めるかを選べるので、両方の売価を見比べられます。

乗せ方原価700円のときの売価利益実際の利益率
原価に30%乗せる(マークアップ30%)910円210円約23.1%
利益率30%にする1,000円300円30%
原価に50%乗せる(マークアップ50%)1,050円350円約33.3%
利益率50%にする1,400円700円50%

目標の利益率から売価を決める(逆算)

「この商品は利益率35%は取りたい」というとき、売価は次の式で出せます。

売価 = 原価 ÷ (1 − 目標の利益率)
例:原価 1,300円・目標 35% → 1,300 ÷ 0.65 = 2,000円

実際の値札は「1,980円」「2,000円」のように切りのよい数字にすることが多いので、上の計算機では1円・10円・100円単位での切り上げも選べます。切り上げた後の利益率も同時に表示するので、「切りのよい値段にしたら利益率がいくつになるか」まで一度にわかります。

反対に、売価が先に決まっている(相場や競合の値段に合わせたい)場合は、「3. 売価と利益率から原価の上限を出す」を使います。売価3,000円で利益率40%を取りたいなら、原価は 3,000 × 0.6 = 1,800円以下に抑える必要があります。仕入れ先との値段交渉の目安になります。

掛け率(○掛け)の計算

卸売やアパレル・本の業界では、仕入れ値を「定価の何割か」で表し、これを掛け率と呼びます。定価10,000円の商品を6,000円で仕入れるなら「6掛け」、7,000円なら「7掛け」です。

掛け率 = 仕入れ値 ÷ 定価 × 10
仕入れ値 = 定価 × 掛け率 ÷ 10
例:定価 8,000円の6掛け → 8,000 × 0.6 = 4,800円(定価で売れば利益率40%)

掛け率と利益率の関係は単純で、定価で売ったときの利益率 = (10 − 掛け率) × 10%です。6掛けなら利益率40%、7掛けなら30%、5掛けなら50%になります。上の計算機では、売価を定価とみなして掛け率も表示しています。

掛け率定価10,000円の仕入れ値定価で売ったときの利益率マークアップ率
4掛け4,000円60%150%
5掛け5,000円50%100%
6掛け6,000円40%約66.7%
7掛け7,000円30%約42.9%
8掛け8,000円20%25%

税込と税抜、どちらで計算する?

利益率は税抜の金額で計算するのが基本です。消費税はお客さんから預かって国に納めるお金なので、店の利益ではないからです。ただし、原価も売価も同じ税率の税込金額なら、割り算の結果(率)は税抜で計算したときと変わりません。違いが出るのは利益の「金額」のほうです。

上の計算機で「税込(10%)」または「税込(8%)」を選ぶと、入れた金額を税込とみなし、税抜にした原価・売価・利益も並べて表示します。たとえば税込1,100円で売り、税込660円で仕入れた場合、利益は税込では440円に見えますが、店に残るのは税抜の400円です。

※食料品(軽減税率8%)と雑貨(10%)のように、原価と売価で税率が違う場合は、それぞれを税抜に直してから入れてください。

複数の商品の粗利をまとめて出す

お店全体や、ある月の売上の粗利を知りたいときは、商品ごとの粗利率を平均してはいけません。売れた数と金額が違うからです。粗利の合計 ÷ 売上の合計で出すのが正しい平均の粗利率です。

上の「4. 複数の商品の粗利をまとめて計算」に商品ごとの原価・売価・数量を入れると、行ごとの粗利と粗利率、全体の売上・原価・粗利・平均の粗利率を出します。「表をコピー」を押すと、Excel やスプレッドシートにそのまま貼り付けられる形でコピーされます。

例:商品A(原価600円・売価1,000円)を10個、商品B(原価1,500円・売価2,200円)を3個
売上 16,600円・原価 10,500円・粗利 6,100円 → 平均の粗利率 約36.75%
(Aの40%とBの約31.8%を単純に平均した35.9%とは違います)

営業利益率・経常利益率など、会社の利益率

決算書(損益計算書)では、利益が段階的に出てきます。どの利益を売上高で割るかで、見える力が変わります。

利益の種類求め方率でわかること
売上総利益(粗利)売上高 − 売上原価商品・サービスそのものの稼ぐ力
営業利益売上総利益 − 販売費及び一般管理費本業の稼ぐ力(人件費・家賃・広告費も引いた後)
経常利益営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用利息なども含めたふだんの稼ぐ力
当期純利益経常利益 ± 特別損益 − 法人税等最終的に会社に残ったもうけ

上の「5. 営業利益率・売上総利益率」に売上高・売上原価・販管費を入れると、売上総利益率と営業利益率が出ます。売上高1,000万円・売上原価620万円・販管費290万円なら、粗利は380万円(38%)、営業利益は90万円(9%)です。

利益率の目安(業種別)

粗利率は業種によって大きく違います。以下はあくまで一般的な目安です。自社の数字は、同じ業種の過去の数字や公的な統計(中小企業庁「中小企業実態基本調査」など)と比べるのが確実です。

業種粗利率のおおよその目安ひとこと
卸売業10〜20%前後薄利多売になりやすい
小売業(食品スーパーなど)20〜30%前後生鮮はロスに注意
小売業(雑貨・アパレル)40〜60%前後値下げ・売れ残りで下がりやすい
飲食店60〜70%前後(原価率30〜40%)人件費と合わせて考える
製造業20〜30%前後材料費・加工費で大きく変わる
ソフトウェア・情報サービス50%以上になることも人件費が原価に入るかで変わる

利益率を上げるための考え方

利益率は「売価を上げる」か「原価を下げる」か「売れ方を変える」かのどれかで変わります。

値下げすると、どれだけ多く売る必要があるか

利益率40%の商品を10%値下げすると、利益率は約33.3%に下がり、1個あたりの利益は400円から300円に減ります(原価600円・売価1,000円→900円の場合)。同じ利益を出すには、約1.33倍の数を売らなければなりません。値下げの前には、上の計算機で値下げ後の利益を確かめておくと安心です。

よくある計算の間違い

1. 「原価に30%乗せた」のに利益率が30%にならない

原価1,000円に30%を乗せて1,300円で売ると、利益は300円です。利益率は売価で割るので 300 ÷ 1,300 = 約23.08%。30%になるのは「原価に対する割合」=マークアップ率です。利益率30%にしたいなら、1,000 ÷ (1 − 0.3) = 約1,429円で売る必要があります。値付けの話をするときは、どちらの30%なのかを先にそろえておくと食い違いがなくなります。

2. 税込の売価と税抜の原価で計算してしまう

売価を税込1,100円、原価を税抜600円で計算すると、利益は500円・利益率約45.45%に見えます。正しくはどちらも税抜にそろえて、1,000円 − 600円 = 400円・利益率40%です。上の計算機の「税込で入れる」を使うと、税込どうしで入れても税抜に直して計算します。

3. 送料・手数料・包装材を原価に入れていない

ネット通販やフリマアプリでは、商品の仕入れ値のほかに販売手数料・送料・梱包材がかかります。仕入れ1,500円の商品を3,000円で売り、販売手数料10%(300円)と送料500円がかかると、手元に残るのは 3,000 − 1,500 − 300 − 500 = 700円。利益率は約23.33%で、仕入れ値だけで見た50%とは大きく違います。売るたびにかかるお金は、すべて原価の側に足して計算してください。

4. 割引・ポイント分を引き忘れる

セールで10%オフにすると、売価が下がった分だけ利益が直接減ります。原価600円・売価1,000円の商品を10%オフ(900円)で売ると、利益は400円から300円へ25%も減ります。割引後の値段は割引計算で出してから、ここに入れ直すと確実です。

利益率と利益額、どちらを見ればいい?

利益率が高い商品ほど良い、とは限りません。お店に残るお金は「1個あたりの利益 × 売れた数」だからです。

商品売価利益率1個の利益月の販売数月の利益
A500円60%300円100個30,000円
B3,000円25%750円80個60,000円

利益率はAのほうが高いのに、月の利益はBが2倍です。値付けや仕入れを考えるときは、利益率で「もうけやすさ」を、利益額で「実際にいくら残るか」を見るのが基本です。上の「4. 複数の商品の粗利をまとめて計算」に数量を入れると、商品ごとの粗利額と全体の利益率を同時に見比べられます。

また、利益率を上げようとして値上げしすぎると、売れる数が減って利益額はかえって下がることがあります。値上げを考えるときは「何個まで減っても今の利益を保てるか」を計算しておくと判断しやすくなります。原価600円・売価1,000円で月100個売れている商品を1,100円に値上げすると、1個の利益は400円→500円になるので、月80個まで減っても利益は同じ40,000円を保てます。

損益分岐点と利益率(いくら売れば赤字にならないか)

家賃・人件費・光熱費のように、売れても売れなくてもかかる費用を固定費といいます。粗利で固定費をまかなえる売上が損益分岐点売上高です。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 粗利率

たとえば1か月の固定費が60万円で、粗利率が40%なら、60万 ÷ 0.4 = 150万円売れば黒字と赤字のちょうど境目です。粗利率が30%に下がると 60万 ÷ 0.3 = 200万円 となり、同じ固定費でも50万円多く売らなければなりません。粗利率が少し動くだけで、必要な売上が大きく変わることがわかります。目標の利益があるときは「(固定費 + 目標の利益) ÷ 粗利率」で必要な売上が出せます(固定費60万・目標利益30万・粗利率40%なら225万円)。

計算例いろいろ

原価 2,400円 → 利益率40%で売りたい → 2,400 ÷ 0.6 = 4,000円
売価 5,980円・原価 3,500円 → 利益 2,480円 → 利益率 約41.47%・原価率 約58.53%
定価 12,000円の6.5掛け → 仕入れ値 7,800円(定価で売れば利益率35%)
飲食店:1皿の材料費 320円・原価率30%にしたい → 売価 = 320 ÷ 0.3 ≒ 1,067円(実際は1,080円や1,100円に)
売上高 4,800万円・営業利益 360万円 → 営業利益率 7.5%

このページの計算について

計算は小数のずれ(0.1+0.2が0.30000000000000004になるような誤差)が出ないよう、十進の整数で計算しています。率は小数第2位まで、金額は1円未満を小数第2位まで四捨五入して表示しています。入れた数字はお使いの端末の中だけで計算され、どこにも送信されません。

ふだんの計算には電卓(実務電卓・関数電卓)を、割引後の値段は割引計算を、端数の処理は四捨五入の計算をお使いください。

ほかの電卓

よくある質問

利益率の計算式は?
利益率(%)= 利益 ÷ 売価 × 100 です。利益は 売価 − 原価 なので、原価600円・売価1,000円なら 400 ÷ 1,000 × 100 = 40% になります。
利益率30%にするには売価をいくらにすればいい?
売価 = 原価 ÷ (1 − 0.3) で求めます。原価700円なら 700 ÷ 0.7 = 1,000円です。原価に30%を乗せた910円では、利益率は約23.1%にしかなりません。
利益率と粗利率は同じ?
ふつう「利益率」と言えば粗利率(売上総利益率)のことで、同じ意味です。ただし決算書では営業利益率・経常利益率なども「利益率」と呼ぶので、どの利益で計算しているかを確認しましょう。
原価率と利益率の関係は?
どちらも売価を基準にしているので、原価率 + 利益率 = 100% になります。原価率35%なら利益率は65%です。
掛け率とは?
仕入れ値が定価の何割かを表す言葉です。定価10,000円を6,000円で仕入れると「6掛け」。定価で売ったときの利益率は (10 − 掛け率) × 10% で、6掛けなら40%です。
利益率は税込と税抜どちらで計算する?
利益の金額を正しく見るには税抜で計算するのが基本です。原価と売価が同じ税率の税込金額なら、率(%)は税抜で計算したときと同じになります。
マークアップ率とは?
原価に対して何%の利益を乗せたかを表す数字で、利益 ÷ 原価 × 100 で求めます。利益率(売価に対する割合)とは別物なので、値付けの時に取り違えないよう注意しましょう。
複数の商品の平均の粗利率はどう出す?
商品ごとの粗利率を単純に平均するのではなく、粗利の合計 ÷ 売上の合計 × 100 で出します。このページの「複数の商品の粗利をまとめて計算」で自動で出せます。

最終更新:2026-10-20